アウトドアアーチェリーラウンドは屋外の平坦なグラウンドで行われる競技です。使用する弓の形状によってリカーブ部門とコンパウンド部門とに分かれます。リカーブ部門で使用される弓は、弓の両端部分が反り返った(Recurve形状をしたものです。通常、サイト(照準器)、スタビライザー(安定器)、クリッカー(引き尺確認装置)などのアクセサリーを装着します。現在、オリンピックや国体ではこのタイプの弓だけが使用を認められています。コンパウンド部門で使用される弓は、弓の両端部分に偏芯滑車がついており、この作用によって引き重量が途中で軽くなって引き易く射ちやすくなります。この部門では発射補助装置(リリーサー)を使用することもできます。また、近年日本でも人気がでてきたのが、ベアボウ部門です。サイトや安定器などを装着せず、射手の感覚によって矢を放つスタイルです。2022年から全日本ターゲットアーチェリー選手権大会にもベアボウ部門が加えられました。
リカーブ | リムの先端が、逆反りした形状の弓。オリンピックと国民体育大会では、このタイプの弓だけが使用を認められています。 |
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コンパウンド | 両リムの先端に付けられた偏芯滑車の作用で、引き加重が途中で軽くなる弓。 リリーサー(発射装置)の使用も認められています。 |
ベアボウ | 弓の形状はリカーブの弓と同じですが、サイト(照準器)やスタビライザー(安定器)などを装着せず、射手の感覚によって矢を放つ弓のスタイルです。 |
70mの距離から制限時間3分(または4分)以内に6本射ち、これを12回繰り返します(計72射)。この競技を70mラウンドと言い、国内では、このラウンドだけを単独の競技会として、数多く実施されています。年齢区分によって17歳以下を「キャデット」、50歳以上を「マスター」という種別として開催される競技会もあり、射距離を60mに短くして行います(60mラウンド)。標的の直径は122cm、5色の色環帯(中心から、黄、赤、青、黒、白色)で構成され、これがさらに2個ずつの得点帯に分割され、直径12.2cmの中心円が10点、外に向かって1点ずつ少なくなり、最外側の得点帯が1点になります。
全日本選手権では、70mラウンドが予選となり、男女上位32名が決勝ラウンドに進出することができます。決勝ラウンドはトーナメント方式となり、1セット3射(30点満点)の5セット制による1対1のマッチ戦が、70mで122cm標的を使用して行われます。セットポイントは、勝てば2ポイント、引分けは両者に1ポイント、負ければ0ポイント。先に6ポイント以上獲得した選手が勝者となります。全日本選手権では、3位決定戦までは、全マッチが同時に行われます。優勝がかかる決勝戦(ゴールドメダルファイナル)では、2標的だけが設置された特設会場で、二人の選手が交互に20秒の制限時間で1本ずつ射ちます。このとき観客にもわかりやすいように、1射ごとの得点がアナウンスされ大変エキサイティングな競技が展開されます。
世界選手権は、各部門の男女上位104名が決勝ラウンドに進出することができ、予選ラウンドの上位8名の選手がシードされてベスト32からのスタートになります。
予選ラウンドでの同一チーム3名の合計点により、上位16チームが団体戦の決勝ラウンドに出場することができます。トーナメント方式で、1セット6射(チームの各選手が2射ずつ:60点満点)の4セット制によるマッチ戦が予選ラウンドと同様、距離70m、122cmの標的を使用して行われます。 セットの制限時間は2分。3名の選手が1人ずつ交代して6本を射ちます。時間内に6本の矢を射つためには、3名の選手の時間配分が重要となり、チームワークが勝利の鍵となります。セットポイントは、個人戦と同様、勝てば2ポイント、引分けは両者に1ポイント、負ければ0ポイント。先に5ポイント以上獲得したチームが勝者となります。 |
50mの距離から制限時間4分以内に6本ずつ射ち、これを12回繰り返します(計72射)。この競技をコンパウンド50mラウンドと言います。標的の直径は48cm、3色の色環帯(中心から、黄、赤、青色)で構成され、これがさらに2個ずつの得点帯に分割され、直径8cmの中心円が10点、外に向かって1点ずつ少なくなり、最外側の得点帯が5点になります。 この標的の原型は直径80cmで、色環帯は122cm標的と同じ5色でしたが、外側の黒、白色が取り除かれており、「80cm-6リング標的面」といいます。 全日本選手権や世界選手権では、このコンパウンド50mラウンドが予選となり、予選通過者がトーナメント方式の決勝ラウンドに進出することができます。決勝ラウンドは1対1のマッチ戦が、予選ラウンドと同じ距離、同じ標的を使用して行われます。1エンド3射(30点満点)を5エンド射ち、その合計得点の高い選手が勝者となります。リカーブ部門と同様、3位決定戦までは、全マッチが同時に行われますが、決勝戦は二人の選手が交互に1本ずつ射ちます。 |
予選ラウンドでの同一チーム3名の合計点により、上位16チームが団体戦の決勝ラウンドに出場することができます。トーナメント方式で、1エンド6射(チームの各選手が2射ずつ:60点満点)の4エンドのマッチ戦が予選ラウンドと同様、距離50m、標的は80cm-6リング標的面を使用して行われます。1エンドの制限時間はリカーブ部門と同様2分。3名の選手が1人ずつ交代して6本を射ちます。4エンドの合計点(240点満点)で高いチームが勝者となります。 |
男女1名ずつのペアによる団体戦で、2011年から世界選手権の正式種目となりました。
予選ラウンドの上位16チームによるトーナメント戦で、リカーブ部門は1セット4射の4セット制、コンパウンド部門は1エンド4射で4エンドの合計得点制で勝敗を競います。リカーブ部門、コンパウンド部門とも、それぞれの団体戦と同じ距離と標的を使用して実施されます。
上記以外にも、90、70、50、30m(女子は70、60、50、30m)の距離から36射ずつ計144射する1440ラウンドや60、50、40mの距離から30射ずつ90射する900ラウンドがあります。