人々が健康的な生活を送る上で、運動やスポーツを行うことには大きな意義と役割があり、アーチェリーは体力の向上や健康の増進にも極て効果的な活動であり、専門的技能や知識を身に付け、生涯にわたってアーチェリーに親しむ能力や態度を育てるとともに、心の発達にも大きく貢献しており、自主性や社会性を育成し、心身のバランスのとれた人間を形成するうえで大きな役割を果たすものです。
小学生・中学生・高校生・大学生における活動は、教育活動の一貫として行われ、競技者人口が少ないにもかかわらずアーチェリー競技に興味と関心を持つ同好の児童・生徒・学生が、教師(顧問)・コーチ・地域指導員の指導の下に、自発的・自主的に活動しています。ある人は競技の頂点を目指して、ある人は自己の心身の健康を意識して、ある人は多くの人との交流を楽しみ、また、ある人は競技者の闘いや生き方を見て自らの活力にするなど、アーチェリー競技を通じて多様なかかわり方が提供されています。ひたむきに競技に励む選手は周囲に共感を呼び、学校や地域に笑顔と明るさ勇気を与えます。反面時として卑屈で陰湿な暴力行為やセクシュアルハラスメント(セクハラ)等が話題となり影を投げかけることがあります。アーチェリーは健常者から身障者、児童から老年代に至るまで同じ競技ルールで楽しめる競技です、指導者と選手はアーチェリーを愛する者として、自らその品位を保ち、互いに尊重し合わなければなりません、「いじめ」や「差別」「暴力行為」や「セクハラ」「暴言等」など倫理に反する行為の根絶に取り組む努力が求められています。
一方、競技の特殊性から日々の活動の練習や競技大会において安全対策においてもよりいっそう努力と注意をお願いします。競技スポーツとしてのアーチェリーを通じて私たちは、相手を誠実に思いやり、尊敬し、真剣に競技して、よきアスリート・心豊かな人間になることを目指しこれからも日々の活動に情熱を持って臨まれることを心から期待しております。
自らの知識・技術を惜しみなく発揮する。(最良の実践を行う責務)指導に携わる際、相手の人権を尊重し専門職として成長を促す。(他との関係)自己の能力を的確に把握する。(能力の把握)
民法第822条では、「親権(保護者)を行なうものはその子供に必要な範囲で懲戒することができる」とあります。スポーツ指導においても、保護者の同意がある限り、必要な範囲でこの保護者の懲戒権と同等の権利を行使できるとされています。ですが一切の「体罰」は禁止されています。「叱る」=「体罰」ではありません。体罰はその要素として個人的な感情を含むものです。これはもはや指導や教育というものではなく、ただの暴力です。ですから体罰はどんな理由があろうとも許されない行為なのです。
暴力とは肉体的暴力により相手を傷つけることのほか、侮辱などの言動により相手を精神的に傷つけることです。体罰もセクシャルハラスメントも正当な指導との境目の判断が非常に難しいです。指導側は正当な指導だと思ってやっていることが、体罰やセクシャルハラスメントととらえられてしまうこともあります。
指導者は選手の人格を尊重するとともに、以下のことを十分に理解・認識して指導してください。
- 指導者には常に自身を律する意思の強さが求められます。
- 暴力行為には肉体的な暴力だけでなく、暴言・脅迫・威圧・侮辱などにより相手を精神的に傷つけることも含まれます。相手の人格を否定するような言動、相手の存在を無視するような態度をやめましょう。
- 選手とのギャップを埋めるためには、日ごろのクラブや指導者の態度が問われることになります。誤解のないような指導方法やその対応をしていれば、ちょっとした誤解が生じてしまっても相手に与える印象は違ってくるはずです。
- 成果を早く上げようとあせるあまり、心のゆとりをなくし、つい逆上して体罰を加えてしまうことがありますので、落ち着いて行動してください。
- 信頼関係を大切にしながら、あせらず、じっくりと、あくまでも理性的に指導することが大切で・・・「こんなに一生懸命、努力しているのに」という気持ちの中に、自分の指導法への過信はありませんか?選手たちのためというけれど、自分自身が高く評価されたいという気持ちはありませんか?・・・。
最近、パワーハラスメント(パワハラ)という言葉が注目され始めています、いわゆる上に立つ者(指導者・監督)による嫌がらせのことですが、嫌がらせは昔からありました。しかし、新しい言葉が成立したことの意味合は大きく、裁判で一般化されたり、法制化が進められたりして、社会に広く浸透してきました。
パワー「権力」、ハラスメント「嫌がらせ」で"権力を使った嫌がらせです。
- 脅迫する「辞めてもいいんだぞ」「試合ださないぞ」
- 侮辱する「そんなことも知らないで、だめだな・鈍いな」
- 嘲笑する「相変わらず何もできない」
- 精神的に追い詰める等々が考えられます。
パワハラとしての判断基準ではありませんが、従来から嫌がらせについては、「指導が許容される範囲を超えていたかどうか」、「業務上(指導上)の正当性があったかどうか」、がポイントになります。
相手の性格や能力を見極めたうえで適切な言動をとるように心がける必要があります。「口が悪いのは愛情の裏返し」「毒舌も個性」という勝手な思い込みはやめましょう。
暴行と傷害の区別は、それによって生じた生理的機能障害の程度の差として解されており、生理的機能障害が極めて軽徴なものが暴行です。
- 人の髪を切ったり剃ったりする行為
- 肩を押して転落させる行為
- 同行を拒否するのにその手をつかんで引っ張る行為
- 選手をめがけての投石行為(物を投げつける・物で叩く、突く)
- 打撃、強圧による充血、たんこぶ、内出血などを生じる
たとえ、指導を目的としていたとしても、このような行為は犯罪となることも理解しておく必要があります。
すべてのアーチャーがこの「安全規程:マナー」を守り事故防止・安全確保を心がければ、アーチェリーはより安全で楽しい競技になるものと信じます。しかし、一部のアーチャーが競技会や練習場においてこれを無視し、他者の迷惑になることをした場合は、懲戒という意味で、運営責任者・管理者により一定期間の競技会出場停止、あるいは施設への立ち入り禁止等の厳しい措置を検討いただきたい。これは、多くのアーチャーが「安全規程:マナー」を守って競技や練習に臨んでいるからです。正しい行動を取るアーチャーの利益を守ると言う観点から、審判員・競技役員・射場管理者等の指導的な立場にある方は、この問題に取り組んでください。アーチェリーはゴルフと同様に、採点は基本的に自己申告であり、審判員が立ち会わなくても競技は成立します。これは、アーチャーの一人ひとりが「競技規則」と「安全規程:マナー」を守り、誠実にプレーしているから可能なことです。これに加えて、本連盟の定める「理念・行動指針」を十分理解の上、全てのアーチャーがより安全にアーチェリーを楽しめるよう願うものです。
暴力行為とは、身体的暴力なぐる、ける、首をしめる、突き飛ばす、やけどを負わすなど肉体的暴、何を言っても無視する、大声でどなる、なぐるふりをしておどす、ののしるなど社会的暴力交友関係や手紙、電話を監視する、恐怖心をうえつける、外出を制限するなど人格を無視し相手をおとしめる言葉、経済的に自由を与えない、孤立させるなど、さまざまな方法で相手を支配し、自分の思いどおりにしようとする行為です。
- 指導者は選手の人格を尊重するとともに、チームに規律を植え付ける意図であろうと、その他いかなる意図であろうと、暴力行為は許されません。
指導者は選手、指導者には常に自身を律する意思の強さが求められます。 - 技術指導やチームの運営などについて、選手と意見の相違が生じた場合、指導者は選手と話し合い、必要に応じて第三者の意見を聴き、相互理解に努めましょう。
- 上達の遅い選手や指導者に耳を傾けない選手に対して放置せず、その人の良い所を見つけて指導することが求められます。選手の「よさ」に着目しましょう。
試合に勝つことがすべてではないことを常に意識し、冷静な指導を行いましょう。 - 問題の解決には暴力を使わず、話し合いで、間違った部分があれば素直に認めながら解決しましょう。
- 悩みや課題がクラブや会の中で気軽に語られ、コミュニケーションをとりやすくし、情報共有を図るため、日頃から語り合いや情報交換に努めましょう。
- アーチェリー場は選手の人格形成の場であることを認識し、選手との信頼関係があれば多少の体罰は許されるという考えを改め、選手の声に耳を傾け、選手の気持ちに添った指導を行いましょう。
- 一時的に感情の自制ができない状況になったとしても、体罰によらない指導を日頃から心がけましょう。
- 恫喝や命令による指導ではなく、選手を一人の人間として尊重し、選手一人ひとりの判断力を高め、競争力を高められる指導者としての力量を向上させましょう。
共通の目標を持って活動していることが多い部活動では、より高い競技性や専門性を求められることが多く、指導者は部員に対してより高いレベルの要求をすることになり、あせりの気持ちからつい体罰が起きることがあるのではないでしょうか。
チームワークや望ましい人間関係の育成を目指すことも、部活動の指導目的としては大切なことで、その趣旨に反するときに体罰が起きることもあるのではないでしょうか。
自分の能力や指導力に自信を持っている指導者が、その指導に逆らう言動を部員がとったときに、ついカーッとなって体罰を加えることがあるのではないでしょうか。
たしかに"勝ちたい"などの気持ちは、選手や指導者が持たないわけがありません。その気持ちがあるから苦しい練習にも取り組めるのだと思います。
そして、そういった気持ちが背景となり、ミスをすると「自分の言ったことを守らないからだ」とか「大事なときにいつもミスをするのはなぜなんだ」とか失敗をしたときに、指導者はそのミスを責めたり、暴力に訴えたりすることがありませんか。
また、ズル休みや遅刻をしたとき、練習後の跡片付けをしなかったとき、あるいはキャプテン(リーダー)の言うことをきかなかったときや、自分の指導に逆らう言動をとったときに怒ったりたたいたりすることがありませんか。
練習のなかで人間関係を重視している指導者は、結果を急ぐあまり選手たちに「自中心的な行動や態度は許せない」と理由をつけて体罰を加えてしまうことがあります。さらに、指導者のプライドを傷つけられたとき、自分を否定された気持ちになって体罰を加えてしまうことがありませんか。
勝負のみにこだわって、自己満足のためや自分の指導者としての実績をあげることを優先させていることがありませんか。
指導者は、選手たちの大きな夢と希望を実現させる支援者となるために、その指導力を常に謙虚な姿勢で研鑽するとともに、選手もたちとの強い人間関係を作り上げる努力をして、誇りを持って指導に取り組んでほしいものです。
監督、コーチ等指導的立場にある者はもとより、会員登録(競技者・指導者)は世界ドーピング防止規程・禁止表国際基準に規定する禁止物質を使用すること、または使用させることを行ってはいけません。
- 競技能力を高めるためにドーピングを行うことは、フェアプレーの精神に反するばかりではなく、競技者の健康を害するものであり、絶対に行わないこと。
アンチ・ドーピングの教育・啓発活動の積極的な展開をします。 - 本人にドーピングを行った意識がなくても、摂取した薬品などによっては、ドーピングの対象薬物が含まれている場合もあるため、競技者及び指導者は、ドーピングに関する知識を十分に深めること。
- 麻薬や覚醒剤等薬物の使用は、反社会的な行為のみならず、使用した人間の人格をも破壊するものであり、いかなる目的であっても絶対に使用しないこと。
公的な組織であることを認識し、会計基準に基づく基準(経理処理)を作成し、その基準及び各団体の経理規程に則り正しい経理をするとともに、内部牽制組織及び監事並びに外部監査人による監査体制を確立します
- 補助金などの取り扱いについては、補助先・助成先のその補助・助成の目的及び経理要項等を順守の上、適正な経理処理を行い、決して他の目的に流用などをしないこと。
- 経理処理については、不法又は不正行為・不祥事等を未然に防ぐため、内部牽制を組織化し、少数の担当役・職員に任せきりにしないこと。
同時に、組織内部における定期的なチェック及び公認会計士などによる外部監査を受けるように努めること
次に示すような行為を禁止します。
- 組織内・外の金銭の横領など
- 不適切な報酬、手当、手数料、接待・供応等の直接又は間接的な強要、受領若しくは提供
- 組織内・外における施設、用器具等の購入などに関わる贈収賄行為
- 組織内・外における不適切な指導又は監査
本連盟で制定した「一般会員規程」の主旨を体してアーチェリー競技の普及発展をはかること。
- 補常に品位を保ち、公共の場における態度や言動、服装に注意する
- 安全マナーを守ること。
- 人種、国籍、性別、障害の有無などの違いを理由にする、いかなる差別も容認してはならない。
- 平等の精神を持ち、他者の人格を尊重する。
- 競技に際しドーピング又は暴力行為などによりフェアプレー精神に違反する行為をしない。
- 事前に所属する加盟団体を通じて本連盟の承認を得ず、自分の氏名、写真又は競技実績を(自ら又は第三者のために)アーチェリーに関する広告に使用しない。
- 大会への参加申込み登録や競技会での虚偽申請といった不正行為は絶対に行わない。
- アーチェリーに関する放送、座談会その他の行事に出演、参加を求められた場合は、あらかじめ本連盟に届けなければならない。
- 法律や条例などの法規範を順守し、違法行為をしない。